緑黄色野菜とβカロチン
緑黄色野菜を食べなくてはいけない、と思う人はたくさんいるかもしれませんが、βカロチンを取らなくては!と思い悩む人は少ないと思います。
βカロチンというのは緑黄色野菜の定義の、「可食部100gあたりカロチン含有が600μg以上のもの」というところにも少し登場するのですが、私たちの生活になじみが薄い栄養素かもしれません。
カロチンというのはαカロチン、βカロチン、リコピンなどの総称で、そのうちβカロチンとリコピンにはがんの予防作用があるのではないかといわれています。
このうち緑黄色野菜に存在しているβカロチンというのは非常におもしろい栄養素で、緑黄色野菜にあるときはビタミンAが上下逆で2つつながったような形をしています。
ビタミンAの形で人間の体の中にたくさん保存しておくのはとても危険です。
なぜならビタミンAの取りすぎは中毒症状を呈してしまい、吐き気や肌荒れなど予期せぬトラブルを招きがちです。
しかし不足しがちな栄養素でもありますのでなんとか体の中に貯蔵しておいたほうが都合がよいのは事実。
そこでβカロチンの登場なのです。
βカロチンという形で体内に保存しておけば、体の中でビタミンAとは認識されないので過剰摂取の症状はあらわれません。
必要なときに少しずつビタミンAの形に戻せばいいのだから、緑黄色野菜様様ですね。
日頃からβカロチンの豊富な緑黄色野菜をたくさん摂取しておくのはとても大切なことなのです。